5章

6. 私たちは、IT企業だ

私たち中小企業の仕事は、お客様との人間関係から始まっていることが多いと考えられないでしょうか。

今まで論じてきたコミュニケーション革命は、「知」の情報交換であり、私たちが大切にしてきた「情」の情報交換は、これらの通信手段では、交換不可能なものです。

大企業が、様々なマーケティング手法に頼らざるを得ないのは、お客様一人一人を個性あるものとして理解するのではなく、群として管理しようとしているからです。この点、お客様一人一人を大切にしようという点において、いかにIT革命が進行しようと、どのような新しい仕組みができようとも、私たちの思いに勝るものはありません。

大量生産・大量消費の時代には、マスマーケティングという手法がもてはやされ、大企業は、企業の論理、企業の都合をお客様に押し付けてきました。
私たち中小企業も、これに惑わされ、売上げの分析や顧客分析ができないといけないと思い込んで、様々な努力を行い、時には、諦めたりしてしまったこともありました。
この時、中小企業は、その持ち味を忘れてしまっていたのです。

私たち中小企業が持つ、お客様との対話能力、人間関係能力、これこそが今求められているものです。 これらの能力とお客様への熱い思いこそ、IT時代にお客様が求めているものです。

この対話能力や人間関係能力を生かす場として、その熱い思いを伝える道具の一つとしてコンピュータやインターネットなどの新しいメディアがあります。
どれほど多くのコンピュータやネットワークを巡らそうとも、その背景となる能力、対話能力や人間関係能力が貧弱ではIT化を実現して行くことはできません。
さらに、お客様への熱い思いが無いIT化は、必ずその道を誤ってしまうことでしょう。IT化を進めてゆく基礎能力は、中小企業の側にあります。

私たち中小企業こそIT企業であると認識ください。そして、私たちの持ち味を生かしたIT化を実現して行きましょう。