4章

5. 中小企業は、ゼネラリスト

イメージ 大企業が、四苦八苦しながら実現してきた情報システムの大半は、中小企業では、経営者が、その足で歩けば充分に把握できることでした。

社内においては、部門間の連携のために構築した情報システムがなくても、従業員同士が直接話し合えば良く、また、その機会も簡単に作ることができました。

この中小企業の優位は、情報化によって薄れつつあります。

組織全体では、前述の通りですが、中小企業の優位がまったくなくなったわけではありません。それは、一人一人の情報能力の差です。

情報能力とは、情報収集、分析、判断などを総合して言いますが、これに関して、現在のところ、大企業・中小企業に差はないと思われます。

それどころか、所属する企業に直接関連する内外の情報に、一人一人がどれだけたくさん触れることができるかという面では、圧倒的に中小企業のほうが優れています。

これは、卵などの球にたとえてみると良く分かります。
体積に1000倍の差がある球体は、表面積になると100倍の差になります。企業に置き換えてみると、規模において1000倍の差がある企業同士でも、外部との情報交換などを行う能力の差は、100倍程度になってしまうということになります。

また、組織内では、大きな企業ほど業務内容が細分化されており、部署が違えば、その仕事の内容すら判らないという大企業と比べると、中小企業では、一人が複数以上の仕事を行っていることが普通です。仲間がどのような仕事を行っているのかということも、その気になりさえすれば、すぐに聞き出すことができます。

インターネットなどの情報機器を屈指してという面では、大企業に所属するスペシャリストが優位とういことになりますが、所属企業に関係する内外の生情報を、どれだけ幅広く知ることができるか、知っているかという側面では、中小企業に属して、一人で何役もこなしているゼネラリストが有利ということになります。